穏やかな笑顔の効果は絶大(エモーショナル・ワーク)

フライト・アテンダントや企業の受付などで働く女性たちは、スマイル・トレーニングを受けてプロフェッショナルな笑顔を身につけている。たとえ応対した相手が横柄な態度を取っても、その動作を反響させることはまずない。

つねににこやかな応対をするというのは、精神的に負担が大きいのではと思うものだが、彼女たちをトレーニングする笑顔コンサルタントの方に話をうかがうと、「笑顔でいたほうが相手だけでなく、自分も気分よくいられるものです」という。

ここでも好意の返報性が働くので、どんなに横柄な相手でも、こちらがにこやかにしていれば、いつまでも威張りくさった態度を続けられるものではないようだ。トレーニングをいくら受けていても、オーバーワークで疲れていたりぴりぴりした雰囲気か続いたりすると、心からの笑みを浮かべることはなかなか難しい。そんなときも、形だけでもよいから笑顔をつくる。笑顔を心がけるうちに、次第に気持ちが後からついてくるそうだ。

昔から「笑う門には福来たる」というように、穏やかな笑顔でいることは、周囲にも温かく心やすらぐ雰囲気をかもし出し、ひいては職場の生産性や顧客サービスの向上にまで結びつく。いまや笑顔の効果は「エモーショナル・ワーク」と呼ばれ、経済活動の上でも注目されているのだ。

いっぽう、笑顔にも、明らかに不自然なものを感じて戸惑ったり、気まずい雰囲気になったりするものもある。先で述べた迎合行動としての愛想笑いをはじめ、強いコンプレックスや不安を隠そうとするあまりの高笑い、人を見下すような含み笑いなどは、本人は真意を隠しているつもりでも、周囲は不自然さや心地の悪さを抱く。

人類学者で「日本顔学会」会長の香原志勢氏によれば、こうした意識的・意図的な表情は、左右非対称になるからわかりやすいという。もちろん歯並びや噛み合わせ、顔の骨格の歪みの問題もあるし、緊張から表情がぎこちなくなることもあるので、安易な判断は避けるべきだが、少なくとも自分の不自然なつくり笑いに関しては「バレバレ」と思っておいてもよさそうだ。

穏やかな笑顔は穏やかな日常から生まれるものなので、一朝一タというわけにはいかない。しかし逆もまた真なりだ。日ごろから笑顔を心がけていれば、笑顔が絶えない日常が生まれるかもしれない。

— posted by Mike at 06:29 pm